北鎌尾根ルート
北鎌尾根は西穂〜奥穂よりも険しく長いルートのため、ビバークor小屋泊まりの
以下2通りのアクセス方法があります。
案1:北鎌沢出合でビバークし、翌日8〜10時間かけて槍ヶ岳へ登る。
案2:大天井ヒュッテもしくは槍沢ロッジで1泊し、翌日10〜12時間かけて槍ヶ岳へ登る。
今回は案1を選択、上高地経由で北鎌尾根へと向かいました。
各ポイントの注意点を以下にまとめましたので参考までに。
ルート
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上高地〜北鎌尾根〜槍ヶ岳〜南岳小屋
山行日
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2015.09.20〜21 |
コース タイム
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9/20
5:30上高地→12:00水俣乗越→14:00北鎌沢出合→15:00北鎌沢右股中間部(ビバーク)
9/21
4:30北鎌沢右股中間部→6:00北鎌コル→8:30独標→10:30北鎌平→12:00槍ヶ岳山頂→12:30槍ヶ岳山荘→14:30南岳小屋
各ポイントの注意点
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<上高地〜北鎌沢出合1830m>
・上高地から水俣乗越までは一般登山道で、それ以降は完全なバリエーションルートになります。
・水俣乗越からの下りはガレ場の連続で、先行者とは距離をなるべく多く取ることが大切です。
<北鎌沢出合1830m〜北鎌コル2470m>
・小さなケルンが立っているところが北鎌沢出合になり、北鎌尾根の入口。
・150m(約10分)くらい登ると右股の分岐、本流の左俣は水量が多く、枯れ沢の右俣(幅2mほどのガレ場)は意識していないと見落としてしまうほど分かりづらいデス。
・北鎌沢右股の中間部には大きな岩穴があり、2人が寝られる大きなスペース有り。
(今回はココでビバーク、ネットでもなかった岩穴で、水もうまく確保出来た)。
・水は北鎌沢分岐で確保するのが1番デス。
(今回最終水場はこの北鎌沢右股上部までありましたが、訪れる季節によって変わるため)
・北鎌沢は分岐を右へ右へと進めば迷わないと言われていますが、思い込みが強くて右俣上部に出合う枝沢/クライマーホイホイには入らないように。
標高2227m辺りで、赤ペンキで×印はあったが、かなり薄い上、踏み跡まであったので、最も注意すべきポイントです。
(そのまま右進むと稜線/崖に突き当たり、過去に滑落事故が起きた場所です)
・北鎌コル(2470m)には、ビバークスペースが2張ほどあり。コルから100m程上がった場所にも1張あり。
<北鎌コル2470m〜独標2899m>
・北鎌コルからはしっかりとした踏跡があり、独標基部まで難なくたどり着ける。
・独標の正面の壁は登らず、千丈沢側岩壁基部をトラバースして抜ける(緑のロープが張られている)。
・トラバース途中にザックが引っかかりそうなくらいの逆コの字の岩場があり、通過する際は注意する。
・ココを抜けた後、そのまま巻かずに直ぐに上部を目指して直登すると最短で独標に出られる。
(山と渓谷社から販売している北鎌尾根のDVDでは、巻き過ぎているため、稜線出た後は1度戻っている)
・独標には2〜3張りできるビバークポイント有り。
<独標2899m〜北鎌平3000m>
・独標からP13手前までは、ほぼ稜線歩きで苦労は無いが、その後のルートファインディングが難しい。
・P13手前辺りで千丈沢側(右側)へクラックの間をクライムダウンし、大きく巻いてガレ場を抜けたら直ぐに稜線に取り付く。
・この稜線で行き詰まるが、千丈沢側(右側)から少し巻きながら登ると、稜線から離れることなく先へと進むことができる。
(ここが本ルートの1番の核心部。山と渓谷社から販売している北鎌尾根のDVDでは、巻き過ぎているため、再び稜線に登り返すのに苦労していた)
・何度かこれを繰り返すと、険しい稜線は減り、北鎌平に到着。
(天上沢側(左側)に巻くことは1度もありませんでした)。
<北鎌平3000m〜槍ヶ岳山頂3180m〜南岳小屋>
・稜線が槍ヶ岳基部に吸収されると、どこ岩場を登っても最終的には山頂にたどり着ける。
(天上沢側(左側)への迂回は避けること)
・有名なチムニーまでは、しっかり踏み跡があるため、自然と通れる。
・連続するチムニーを抜けたら山頂直下、一般登山客が見下ろしているのが分かり、拍手で迎えられます。
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ルート概略図
早朝の上高地
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トリカブトと登山道
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ようやく水俣乗越に到着
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北鎌尾根の全貌
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北鎌沢出合
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北鎌沢の分岐
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北鎌沢右股中間部の岩穴で今夜はビバーク
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